クラウドの大きな特徴である仮想マシン(Virtual Machine、VM)の設計ポイントについて本ページで説明する。VMの作り方、詳細な手順自体は、他のサイトに詳しく載っているため記載を省略する。本ページでは、設計のポイントについて主に説明する。
設計のポイント
どのリージョンのどのリソースグループ、どのNSGに配置するか。
実際に手で作る前に、この設計を行ってからじゃないと良いシステムは作れない。
ポイント
簡単で良いので絵をかいてからVMを作り始めましょう。
リージョン、リソースグループ、NSG、VMもしくは、Azure SQL databaseの一連で考えてから、作るようにしてください。
構築順序や各リソースの関係については以下に詳しく書いているため一読すると理解に役立つだろう。
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ほかにも、前記事を確認すると、VMを構築する前にさまざま設計をしてからでないといけないことが沢山あるため、読むことをおすすめする。
VMのWindowsUpdateやバックアップについては別途ページを作成して詳しく説明する予定だ。
サーバスペックはどうやって見積もるのか。
どのリージョンやNSGに配置するか決まったらいよいよVMを構築する段階に入る。VMを作るときにスペックを選択することになるだろう。
しばしば見積もり段階で、お客様や営業方から正しいスペックを出せ。と言われるが、その考えはオンプレを使っている時の考え方だと思う。オンプレの時代は、買ったら終わり。スペック見積もりに失敗はできないという状況だった。だからサーバスペックにも精緻な見積もりが必要だったし、正しいスペックを出さないといけなかった。
しかし、クラウドの時代になり、必要なリソースを必要な時に。という考え方が生まれた。この時、設計段階で正しいスペックを見積もる必要はさほどない。結合テストや総合テストで、性能試験を行いサーバスペックを変更することが可能だからだ。費用は後で調整しましょう。ということだけお客様と相談しておけば良いのだ。費用が下がることもあるため、お客様にとってはメリットにもなりえるからだ。
お客様と、スペックは変更可能だということを合意し、サーバ構築時のスペックは低く抑えておくといった設計、プロジェクトの進め方が一番合っていると思う。クラウドを使うのであれば、プロジェクトの進め方も変えましょう。
ポイント
お客様を自分の有利な方向に導いていけることもエンジニアの能力です。
まとめ
やはり、事前に全体構成図をイメージしてから、システムを構築することはとても重要です。あれもやっておけばよかったこれもやっておけばよかった。ということになると、あとから変更できなくなります。例えば、VMは作成時に可用性セットを作ります。これは、構築後には簡単には変更できません。
慣れないうちは、VMでよいですが、これからの時代は本当にサーバ必要なのかも改めて検討しても良いかもしれません。