このページでは、Azureを使う際に必須設定となるコスト管理と予算超過時のアラート通知方法を説明する。クラウドサービスは使いたい分だけ使えて便利な反面、知らず知らずのうちに、予算をオーバーしているということがある。そういった事態にならないように、予算超過時のアラート通知事前に設定しておこう。
コスト管理の重要性
現在の開発現場はクラウドサービスでシステムを作れるだけのエンジニアはイケてるエンジニアではない。クラウドサービスを利用してシステムを作れることは当たり前であり、これからはどれほど“うまく”クラウドサービスを使えているかという美しさが大事になってくる。それほど、クラウドサービスは開発現場に浸透している。
ビジネスは費用対効果が原則
ビジネスはコスト管理が重要である。どんなに良いシステムを構築しても、予算をオーバーした場合は、費用対効果に合わないためそのシステムは落第点を与えられてしまう。予算をオーバーした赤字のプロジェクトは問題プロジェクトと呼ばれ、プロジェクトマネージャーや、各リーダーの評価は落ちる。
プロジェクトコストの中で、一番大きな割合を占める要素は人件費である。だから、人件費を削り効率的にシステムを開発しようという傾向があるのだ。こういった時、構築作業で忙しいからと後回しにされる部分が、課題管理、進捗管理、そしてコスト管理などの管理面である。
予算超過時のアラートは最初に設定しておこう
最初にAzure上で予算とアラートを設定しておけば、自動的にAzureが予算や設定に応じてアラートを飛ばしてくれるため、忘れることがなくなるし、逐一自分でチェックしに行かなくてよくなる。必ず最初に設定しておこう。問題は忘れたころにやってくるのだ。
コスト管理とアラート設定方法
注意ポイント
Azureのコスト管理画面で、現在までの課金合計額が変わるタイミングはUTC+0の日付が変わる時間である。UTCで日付が変わった時、つまり、日本時間の9時に通知が来る。日本時間で考えると課金反映や通知は即時ではないため、実際のアラートは営業日ベースで一日程度差がある。
大きなインスタンスを起動させておくと、通知を受け取って確認するタイミングでは、すでに予算をオーバーしていたなんてことになりかねないため、段階的にアラートを設定しておこう。
コストの請求と管理→コスト管理
まずは、コストの請求と管理サービスに行き、コスト管理を選択する。
予算の設定
スコープを選択することで、リソースグループ単位や、サービス単位で予算(アラート)を決めることが出来る。
通知の設定
まずは予算と期間を設定する。
ここで、予算に対して段階的にアラートを飛ばす設定もできる。
ポイント
ここで、アクショングループの管理から電子メール、SMS等の宛先を設定することができる。なお、このアクショングループは、モニターやデータベースのアラート閾値設定でも使用する、共通のアクショングループである。

予算に表示されれば設定完了
このように、予算の画面に行が追加されていれば設定完了である。
実際の通知画面(メール)
実際の通知メールはこんな感じ。
コストのアラート
予算をオーバーするとコストのアラートに警告が表示される。
参考:https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/cost-management/cost-mgt-alerts-monitor-usage-spending
Azure VMの課金の仕組み
例えば、VMはOSをシャットダウンするだけでは、課金が止まらない。VMの課金を止めるには割り当て解除が必要なことに覚えておこう。
VMの状態が停止(割り当て解除)になっていないと課金されるため注意が必要だ。
注意ポイント
- OSシャットダウンは課金される
- Azureポータルからの停止は停止(割り当て解除)となり、課金されない
参考:Microsoftのブログ
https://blogs.msdn.microsoft.com/dsazurejp/2015/01/09/23/